めっちゃ話題になった書籍『顔ニモマケズ』いまさらレビュー

「見た目問題」が爆発的に話題になった2017年2月。

「見た目問題」解決NPO法人マイフェイス・マイスタイルが全面的に協力して出版された書籍『顔ニモマケズ ―どんな「見た目」でも幸せになれることを証明した9人の物語』が、その火付け役だった。

著者となったのは、ベストセラー『夢をかなえるゾウ』の水野敬也氏で。
出版イベントから盛況で、メディア取材も多数あり、この本に登場している「見た目問題」当事者さんたちも新聞やインターネットTVなどに出演が相次いだ。

まさに火がついた、とはこういうことなんだなあ、と思いながら。

僕はこの本には登場していないのだけれど、関連…というか関係性も相まって、いくつか顔を出させていただけました。

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この本には、リンパ管腫・動静脈奇形・網膜芽細胞腫・口唇口蓋裂・全身型円形脱毛症・アルビノ・単純性血管腫・ロンバーグ病・トリーチャーコリンズ症候群…の当事者さんたちの、まさにドラマチックな物語が描かれています。

アルビノの当事者として、パラリンピック水泳選手の笠本明里さんは本の中で、アルビノの症状についてだけでなく、日焼けをすると大変ヒドいことになるにも関わらずなぜ水泳を…?というエピソードも語っています。

弱視や就職活動の“あるある”的にも、僕なんかよりもとても淡々と語っているテイストなので、同じあるあるエピソードでもこんな風に伝わり方が違うのか(笑)と、ふむふむ感心しながら読みました。

取材後記で水野氏は

悩みを乗り越える上で大事なのは「明るさ」であることを再確認しました。

とまとめています。
そしてすべての章の締めくくりは「学んだこと」で構成されている。

そう、この本のポイントは、これまでの患者会や当事者から「同じ悩みを持つ当事者へ」というものではなく。
社会に向けて「こういう可哀想な人が頑張って生きてるんです」という押し付けボランティア啓発でもなく。
普通(マジョリティ)の人が、特別(スペシャリティ)な少数(マイノリティ)の人から何を学べるのか、という徹底した学びの目線で人物を掘り下げているところなのです。

サブタイトルの“どんな「見た目」でも”なんて、嫌な書き方するなあ、と僕は少し不満があったけれど。
それもそのはず。
これは、いわば圧倒的マジョリティの人に向けられたメッセージなんだなあ。
というかむしろ「こんな見た目なら不幸になるだろう」と思い込んでいる人に刺さるような小賢しい考えられたキャッチということか。

普通の人が知る・見る・感じることのない世界を描いた本。

これまでの時代とは明らかに違うアプローチが試みられた本だからこそ、話題になり、人に届き、心に響いたのかも知れない。

そうそう。つい最近ハフポストに書いた「マイノリティ=悩み」を打ち破るための第一歩こそ絶対的に家庭環境だというブログ記事の中でも触れたけれど。

数が多いから正解で、数が少ないから間違いだ、なんて時代じゃなくなった。やっとそれが、実感できるような気がする。

これまでの時代ではどこか、マジョリティが上でマイノリティが下、人と同じことが幸せで人と違うと可哀想、という風潮があったこと。
きっとみんな、認めざるを得ない。

けれどこれからの時代は。
自分(マジョリティ)とは違う特別な少数の人(マイノリティ)が“持っているもの”を、見出すことも出来る。

何が出来ないか、何が欠けていて、どう普通より劣っているかを列挙して、普通で良かった、普通だから安心、なんて優越感と、手を差し伸べてあげようだなんていう同情にすがる時代はおしまい。

…かも、知れないね?

―Kindle版もあります―

【特設ページもあるみたいです】
『顔ニモマケズ』を読んでくださった皆さまへ

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