アフリカ人のアルビノ:アレックスさんと会食

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(この記事は、過去に運営していたブログ『彩り my life』の記事を移植したものです)

アフリカ・ケニアのアルビノな男性、アレックスさん(写真中央)とお会いする機会がありました。


NPO法人マイフェイス・マイスタイルがらみで。
日本アルビニズムネットワークでお馴染みの、武器屋こと矢吹さん(写真左)も一緒に。

食事をしながら交わす会話ではないと思いながらも。
中華料理屋でランチを食べながら、ほとんどわからない英語での会話を、僕は必死で解釈していました。

その中で、何度も何度も、アレックスが繰り返し言っていたのは…。

「アフリカのアルビノの人は、常に2つの問題を抱えている。
 ひとつは、皮膚がん。もうひとつは、殺人。」

「Witch Doctor(呪術医)に、Albinoを…」

このブログでも、過去に1回まとめたことがありますが。
アフリカでは、アルビノを対象とする理不尽な殺人事件が、いまだに起こり続けているのだそうです。
>> アルビノの殺害事件について

「super natural power」のようなモノがあるとされ、肉体の一部または全部を、呪術の薬などとして用いるために、アルビノの人(特に子供など)が、殺される。
そんなことが、今もアフリカでは現実に起こり続けている。
ニュースで知っている事実を、しかしどこかで否定したい気持ちが、生の言葉で語られると、やはり受け止めるしか無くて、苦しかった。

(以下にもう少し続きます)

追いついていない水準

また、皮膚がんについても。
普通に紫外線対策をしていればそれほど問題にしないでいられることなのに。
「日焼け止めクリーム1本が、1週間分の給料くらい高額」であることや。
アルビノそのものについて無知がゆえに「何度も日焼けさせれば黒くなってくる(治る?)」と思い込んだ親が、アルビノの子を“あえて日焼けさせたり”して。
その結果、皮膚がんで苦しむ人も多いのだとか。

長袖を着ればいいじゃん。出来るだけ屋内で暮らせばいいじゃん。
帽子を被ったり、日焼け止めを塗ったり、普通のことをすればいいじゃん。
…て、そんな単純なところにも。
知識、経済、その他さまざまな水準が、追いついていない国。
そんな国が、いまも実在している。

何が問題で、何が幸せ?

「日本での、アルビノの問題はどう?」
アレックスからの問い掛けに、どうにもモヤモヤしたものが残った。

矢吹さんが「結婚」や「保険」、そして(日本では)生命を脅かすほどの「病気として認知されない」ことなんかを答えていた。
確かにその通りなんだけれど。

そういった意味では、日本ではアルビノは「単なる異色のモノ」程度にしか扱われていない。どっちつかず。
言ってしまえば「大したことない」と捉えるくせに、思いっきり「異色の存在」として特別視する。
この“あいまいな現状”は、日本のアルビノ当事者が内包する繊細で複雑な問題なんじゃないかと思った。

殺人の恐怖に震えながら暮らす必要はない。それは、豊かだ。
けれど、自分が「大したことない特異なだけの存在」というのは、それほど簡単な問題でもない。

そんなグチャグチャした考えが、頭の中でこんがらがったまま。
この日の会食は終了し、僕らは別れた。

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