「今どき大企業こそ見た目での差別はリスクですから」と明確に聞けて!未来への希望を感じられた面接の話

面接での見た目差別 アルビノ(アルビニズム)
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「おぉ〜、すごいインパクト!」

Zoomでのリモート面談の時間になり、画面がオンラインになった瞬間、担当の方はとても明るく面白そうに言った。

「そこまで(の髪色)にするのは(ブリーチ)痛かったでしょう?」

興味津々といった様子で、そしてどこか羨望のニュアンスを含んで発せられたその言葉に、僕は嬉しく感じながら、いつもの説明をはじめた。
(多分、少しニヤけてしまっていたんじゃないかと思う)

僕は、生まれつき体内に色素が無い“アルビノ”という体質で、
この髪色も、肌の色も目の色も天然モノなんですー。

今回エントリーしたのは、大企業向けのコンサルティング会社で。
Web応募からは氏名・学歴・職歴などのデータはお送りしていたものの、顔写真の添付は求められていなかった。

とはいえ、募集要項などを見る限りインターネットリテラシーは高い会社だと思っていたので。
エントリーから書類選考、そしてWeb面談までの間には名前検索くらいはしてみるものかと思っていた。
僕の場合は軽く検索してくれれば、プロフィール画像とともにこれまで発信してきたものが山ほど引っかかるはずで…、なのでちょっと(あぁ初見なんだ)と思いもしたけれど。

まあ…、同姓同名もいるし、自己発信のプロフィールは信憑性の保証も無いし。
応募者の名前をいちいち全員検索するほど暇でもないか。


「髪色や髪型や服装で判断することはありませんので」

面接担当者はそう言って、改めて会話を進める。

大学在学中から16年になるPodcastラジオ(Project One-Size Podcast ラジオ)を「今も続けてるんです」と伝えたらさすがに「すごいですねー!」と驚いてもらったり。

「やっぱり日差しがキツいんですか?」
との質問に
日焼けをすると大やけどになったりするんですが、僕の場合は生きてくる中で[どれくらい日差しに当たってるとキツい(焼けてしまう)のか]みたいなのを実感しながらやってきましたねー」
なんて説明をしてみたり。

「アルビノの人が存在する、というのは記事とかで見たことがありましたけど…」
との言葉に僕は(鉄板の)「“本物は初めて見たー!”とかよく言われますよ(笑)」と返してみたり。

リモート面談なので、背景は自室。
「ここにいっぱいかけてある帽子を、ほぼ1年中かぶってます」
とネタにしてみたり。
「Zoom背景のフリー素材なのかと思いました!オシャレなお部屋だなあ」
っと食いついてもらったり。


会社の事業についての説明、業務についての説明をしていただきながら、素直に楽しくお話しして数十分。
そろそろまとめに入ろうかという頃合いに。

「ところで…クライアントが超大企業だと、中にはその見た目に、リアクションというか、そういう反応をする人もいるかもしれません。粕谷さんは大丈夫ですか?」

僕のように思い切り目立つわかりやすいアルビニズムに限らず「見た目問題」当事者には“あるある”のシチュエーション。

(何百回も聞かれたぜ!)
と思いながら僕は素直に「まあ…この見た目を相手が気にして仕事がやりづらくなる可能性はあるとも思いますが、それはこれまでもクリアしてきているので」と答えていたら、早めの打ち消しで再質問。

「いや相手企業がどうこうはもうよくて
というか、こちらのメンバーを見た目で評価・判断するようなそんな企業は願い下げです
ただ現実的には、思った以上に大企業って、変なところに引っかかる人ってのが結構いてしまうもので。
そこを粕谷さんが気にしてしまわないかな、と…」

「そもそも、今どき見た目などの属性で過剰に反応するなんて企業にとってはそっちの方がリスクなので
ちゃんとした企業であればなおさら、そういう人はいないと思いますけど、いたらそれはシカトで良いです。
ただ、粕谷さんの気持ち(メンタル)的に問題無いかは確認しておきたくて」

本当に心底、驚いたし喜んだ。

僕は日頃から“時代の流れ”には敏感でありたいと思っていて。
だから近年では、ちゃんとした企業であればあるほど、差別問題などには意識を持っていて気を付けているものだとは考えていた。
けれど同時に「…という理想論はありながら、社会全体の意識なんてそう簡単に変わりゃしない」と諦めかけていたのも実際のところで。

なので目の前の、主に大企業を相手に仕事をしている方から、明確に“今どき見た目で評価・判断する大企業なんて”と聞けたことが貴重だった。

諦めそうになりながら、なんとか信じ続けていた時代の変化が、感じられた気がしたから。

「失礼しました!そういうことなら改めまして…、僕の方は全く問題無く、そういうシチュエーションにもメンタル的には大丈夫です!」

その日イチバンの笑顔で返答したんじゃないかと思う。


アルビノだけじゃないけれど。

見た目に何らかを持っている人は苦労している、大変な思いをしている、悲しく生きている、[楽しく笑顔で生きられない]ようなフォーカスの当てられ方ばかりされているのを見ながら。
ずっと疑問を持って、アンチテーゼほどではないけれど、カウンターカルチャーになれるようにアルビノ・エンターテイナーを名乗り活動をしてきた僕だから。

時代が変わること。
大企業こそ、差別社会を変えるトップランナーになるべきなんだという事実。
そして、前時代的な差別意識が企業的なリスクになるんだという認識が確実に存在しているという現実。

確かに、もう昭和・平成には戻らない。
SNSでどこからでも告発が出来る現代。
差別は無くす以外に選択肢は無いんだ。

バレないように隠そうとしたって、そこに存在するのならそれが事実。
存在するものが、露呈して大ダメージになる可能性があるというリスク。
それをもう、棚上げにしている場合じゃないんだ。

大企業ならなおさら。


で結局、この会社とはご縁がありませんでしたけれども

僕にとっては今、とても大切な出会いでした。

“見た目での就職差別”に悩みを抱いている方へ

社会全体が変わるには、まだ時間がかかると思います。
けれど、諦めずに、希望を持って、いきましょう。

大企業こそ、リスクマネジメントは徹底しています。
特に現代は、差別問題なども放っておくわけにはいかなくなっているので。

だから臆せず、挑んでみてください。
そして、見た目での差別を感じたら…SNSで告発しようとまでは言いませんが。
前時代的な古臭い会社なんて「こちらから願い下げ」で、傷付く必要は無いです。
むしろそんな会社、入ってからヤバさを痛感することになるので「泥舟に乗り込まなくて済んで良かったー!」くらいの気持ちで大丈夫。

すぐにではないですが、絶対に時代とともに社会は変わっていく。
時代と社会の変化に適応できない企業は、それなりに無くなっていくでしょうから。

希望を持って、強気でいきましょう。

見た目で差別するような会社は、
入社どころか取引先としても願い下げだね。

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