少し前の話なのですが。
僕が習慣的に愛聴しているTBSラジオが、2ヶ月に1度おこなわれる聴取率調査週間を「スペシャルウィーク」と呼んで特別なゲストやプレゼント企画を実施し「聴取率を目当てに番組作りをする」やり方を潔くやめると宣言したんですって。
TBSラジオ“スペシャルウィーク”12月からやめます ラジコのデータ活用へ/芸能/デイリースポーツ online
ラジオはテレビの視聴率にあたる「聴取率」を毎日測定していない。2カ月に1度、1週間を対象にし、各時間帯でどの番組を聴いていたか、というアンケートを行って算出され、この数字が番組編成や営業活動の参考にされる。TBSラジオは2001年8月から、この聴取率で業界トップを守っている。しかし、ネットでラジオ放送を聴けるサービス「radiko.jp(ラジコ)」が普及し、ここを通じての聴取者数はリアルタイムに局側が実数を把握できるという実態があるという。
三村社長は「12月10日からの1週間からスペシャルウィークという呼称を使わないことにいたしました」と表明し、「毎日がスペシャルといえるかなと思います。番組改編期、局としての改編期などに必要に応じてスペシャルな編成を行っていこうと思っています」とこれまで行っていた聴取率調査週間に合わせた企画は、時期にあわせて編成するとした。
従来の聴取率調査では、なんと驚きの17年4ヶ月連続トップ、V104を達成したとのことですが。
そんなTBSラジオが、つまり「年に6週の聴取率調査週間に特別なことをして数字を取るために番組を作るという体制」を変えようとしているわけですね。
この発表はTBSの(2018年)11月社長定例記者会見でおこなわれたのだそうで。
TBSラジオの番組内では各パーソナリティたちがネタにしてイジったり話題になっていたのですが、一般的に、TBSラジオのリスナーじゃない人にとっては心底どうでもいい報告のようで、ネット上ですらあまり盛り上がってないようです…。
テキストも、PDFで上がってるTBSテレビ社長室広報部の報道資料があるくらいで…。
僕は、なかなか思い切ったな!と、思ったんですけどね~。
というのも。
ラジオ全体の利用者(リスナー)がそもそも減少し続けているという現実があり、ラジオ局同士の「聴取率争い」が「(ラジオ全体の)媒体価値向上に結びついていない」んじゃないかと、17年以上も聴取率トップを獲ってきた実績があるのに、いやむしろだからこそ、キッパリと言い切ったところですよ。
また、そもそも現在では「毎日リアルタイムでリスナーの数や動きがわかるradikoデータ」があるということもあり。
年に6週の聴取率調査週間で一喜一憂するのをやめて、「ノンリスナーをリスナー化する」…つまり減少し続けるラジオリスナーの取り合いじゃなくいまラジオを聴いていない人に聴いてもらう目標にしていくということのようなのです。
こうして、ラジオ界での圧倒的トップのラジオ局が舵を切ったことで。
これまでの聴取率調査に大きな変化が起こるのか、radikoデータがどのような説得力を持ち始めるのか、そもそもラジオというメディア(コンテンツ)に馴染みのない方々にどう訴求していくのか。
平成最後の半年間で、大きく変わりゆくかもしれないラジオ。
僕はやっぱり大好きなので、その過渡期も見守っていきたいと思っています。
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