アルビノで生まれながらにして弱視な僕は、これまで視覚障害と一般社会の狭間をウロウロしながら、ギリギリなんとか生きてきました。
そんな僕が、テレビドラマ『ラストマンー全盲の捜査官ー』を観て、じわ~っと染みたセリフがあったので、書き出しておきます。
#日曜劇場 #ラストマン
— 粕谷幸司 (@KASUYA_net) April 23, 2023
書き起こしたいくらい台詞が良い。
可哀想とか、扱い難さを感じさせない、丁寧につくられたエンタメ良い!!
ちなみにこの作品。
脚本の黒岩勉さんは『絶対零度〜特殊犯罪潜入捜査〜』や『ストロベリーナイト』、『マイファミリー』などを手掛けている方で、セリフが洒落ててカッコ良く、また物語も緻密で素晴らしい作品を多く書いていらっしゃいます。
また、全盲所作指導:ダイアログ・イン・ザ・ダーク、協力:日本視覚障害者団体連合、と制作もとても丁寧にされているところが…スゴい。
さらに主軸は「バディもの刑事ドラマ」なので、ミステリーとしても面白く、エンターテインメントとして楽しめる作品になっているところが良いの!
※以下、物語の内容には触れませんのでネタバレありません。
第1話「新時代のヒーロー」
「香りは私にとってとても重要ですので…」
「表情よりも声色をごまかす方が難しいんです」
こういう細かい一言も「あ~わかるわかる!」と思いながら観てます。
全盲と弱視では全然ちがうのですが…、僕も何かと“ニオイで判断する”ことはよくありますし、相手の表情がよく見えない分“声色の方に強い意識がある”のです。
あと所作がスゴい。
僕も癖というか身についている習慣として、ペタペタと色んなところを触りながら生活してるんですが。
その“見えなくても自然に動いている人の何気ない手の所作”が、とても巧くて…惹き込まれました。
「あなたの助けが必要です」
足手まといの人間が周囲に余計な負担をかけていることはわかっています。
ただ、私は、社会のために自分の力を使いたい。昔と比べれば、テクノロジーの力によって多少は自由に動けるようになりました。
あとは、周りの人たちが「一緒に働こう」と思ってくれるかどうか…それだけなんです。
お願いします。
助けてください。
そしてやたら速い話し方。
これも、特徴をよく捉えている感じ。
「やっぱり、人に必要とされるのは…嬉しいじゃないですか」
主人公の皆実は、天才的なキャラクター(そしてかなり鼻につく)。
だからということもあり、全然、可愛そうじゃない!
そして、丁寧に作り込んでいる上で、福祉的な説教臭さはナイ。
エンターテインメント作品として、しっかり“面白い物語”にしているのが、とても好い!
確かに今の社会は…“弱い人はいらない”という考え方です。
でも…、排除された人たちにも、やれることはあります。
それを見つけ出すのは、とてつもなく大変なことですが、
助けてくれる人が必ずいます。私は、多くの人に助けられて生きてきました。
そして、さらに…
ハンディキャップのある人が全員、聖人君子だと思ったら大間違いです。
私たちは特別でも何でもありません。
どこにでもいる、ごくありふれた人間です。
いやーっ!
クリティカル!!
第2話も、とても楽しみです!
あと最後に1つ。
今田美桜さんとても好き。
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