僕もまだ本気出してないだけ!
観る前から良さそうな雰囲気ジンジン感じていたのですが、ようやく観まして、やはり、とても良かったです!
原作 – 青野春秋
監督・脚本 – 福田雄一
出演 – 堤真一 橋本愛 生瀬勝久 山田孝之 ほかあらすじ
大黒シズオ、42歳。バツイチで子持ち。「本当の自分を探す」と勢いで会社を辞めるも朝からゲームばかり。父親には毎日怒鳴られ、高校生の娘に借金し、バイト先ではミス連発。そんなある日、「とうとう見つけちゃった。俺、マンガ家になるわ」と宣言するのだが…!?
福田雄一 監督・脚本と聞くと、今だと『勇者ヨシヒコ』 シリーズ やドラマ『今日から俺は!!』が有名だと思うのですが。
この映画はもう少しおとなしいというか、優しく穏やかな物語で、クスッと笑えながらも「生きてくってなんだろう~?」なんて、ぼんやり考えちゃう良い映画でした。
物語の主人公は、あらすじにあるように結構ダメダメなおじさん。
けれどどこか憎めないというか可愛げがある、ダメダメなんだけど周りを少し楽しませている…、というかむしろダメダメなところが人間らしくて可愛い?おじさん。
マンガ家になろうとしてみるも、まずそんなに描けない。
描き始めたと思えば、面白くもないしボツ。
けれど折れないで、とりあえず描き続ける。
(それもそれでスゴい)
その主人公の幼馴染みは、物語の中では一番普通。
会社員でそこそこちゃんとしていて、主人公のダメダメさも許しながら、飲み屋で話し相手になったりしている。
一番普通でちゃんとしているからこそ、どことなく面白くない。
(多分ほとんどのみなさんはここに共感するハズ)
主人公のバイト先に現れた金髪の青年は、喧嘩っ早くてフラフラしているフリーター。
特別やりたいこともなく、意欲なく毎日を過ごしているけれど、内面にはアツい正義を宿している。
主人公のことを、どことなく羨ましそうに眺めながら、自分の将来を憂う日々。
(現代の20代の中には共感できる人も多いと思う)
主にこの3人が繰り広げていく物語なのですが。
夢だけが大きく、なんかやりそうで、でもなかなか上手くいかない、ダメダメなおじさん。
優しくて、普通で、ちゃんとしている幼馴染みは、何も悪くないはずなのに、どこか満たされない。
無気力で、物静かで、希望もなく諦めたように生きる青年は、流されているような、けれど何かを探しているような。
そんな3人の、それぞれの日常の中から見えてくる、生きることの意味。
それを、派手ではないけど可笑しい会話で、楽しくじんわり感じられる物語。
どの人物に共感するかは人それぞれだと思うのですが、僕にはもう、全員の気持ちがガンガン響いてしまって。
そして、ダメダメだったりするけれど“一応自分なりに頑張る”彼らの姿に、元気をもらえたりしました。
ストーリーの転換期に「なにやってんだ…」と空を眺めながらつぶやくシーンがあるのですが。
グサーッ!と刺さりました。
3人それぞれ、羨ましいような、けれどできれば、そうはなりたくないような。
ジャンルとしては「コメディ」ですが、ホームドラマでもあり、人生を描いた素敵な映画だと思います。
ああ~っ、僕もそろそろ、本気出す~!?
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