どうも、はじめまして。
「僕は、このアルビノを悲劇にしない。」
アルビノ・エンターテイナー、粕谷幸司と申します。
今回はSNSのDMからご質問いただきました。
初めまして!最近YouTubeで粕谷さんを知り動画を見始めた高校生です。いつも話が面白くて綺麗だなと思い動画を見ています。
お話が変わるのですが、自分の高校で現在課題研究という授業を行っており自分のテーマを〖アルビノについて〗と決めています。そこで図書館やインターネットで情報収集を行っていてどのような病なのか等はある程度理解はできたのですが、やっぱりご本人に聞かないと分からないことも多々ありいくつかご質問させていただけたらと思いDMをさせていただきました。質問内容は下記の4つです。
・日常生活で気をつけてること
・日焼け対策
・幼少期なについて
・アルビノで良かったと思う経験
動画でも仰っていた事もあるかもしれませんがお答えいただければ嬉しく思います。
夏休みですね!
YouTubeで見つけてくれてありがとうございます。
課題研究でアルビノをテーマに…、イイネ!
また「図書館やインターネットで情報収集を」してみた上で「やっぱりご本人に聞かないと」と思ったとのこと。
素晴らしいです!
僕だったら、大体Web記事でザーッと調べて理解した感じになって、そのまま課題とかやっつけちゃうと思うのだけれど。
きっと、ちょっと緊張しながら勇気を出して、DMで直接質問をしてみよう!と思ってくれたんだろうな〜。好いわ〜。
動画やこのブログなどで、ずーっと発信し続けてきている僕なので、たしかにほとんどの質問は「どこかで話した(書いた)こと」が答えになってしまうんだけれど。
いま聞かれて、いま答えることが、最新の情報で価値があることなんだろうな、とも思ったので。
思うままにお答えさせていただきます!
40歳アルビノの僕がいま答える高校生からの質問
日常生活で気をつけてること・日焼け対策
日常生活では、たとえば「車通りが無さそうでも横断歩道じゃない場所・赤信号は渡らない」とか(弱視だから交通事故が怖い)、部屋はなるべく整理整頓して散らかさないとか(弱視だから物をなくすと探すのに苦労する)、行ったこと無いお店や道は1人ではあんまり行かないとか(弱視だから情報が瞬時に処理できなくて困ることがある)…。
まあ概ね、危機管理というか…トラブルにならないように色々と想定してライフスタイルを組み立てる、という感じで、生活の行動ひとつひとつを考えて構築しているところがあります。
その中でも一番大きいというか、つまり「アルビノだから日焼けをすると大変ツラい」というトラブルを回避するために気をつけるのが、何と言っても日焼け対策ですね。
生まれてから死ぬまで、毎日、一生、気をつけることです。
…とはいえここまで生きてくると、やりすぎない程度に雑になるというか、楽できるところは楽をしようともしているので。
「なるべく家を出ない・屋内で過ごす」のが一番だと思っていたりします。
もちろん、自分の過ごす部屋は基本的にはカーテンなどで直射日光をシャットアウト出来るようにしてありますし、会社員だったころも希望が通る時は「日の当たらない席」にしてもらったりしてました。
そして、外を出歩く時も、僕は日焼け止めを塗るのが面倒くさくて嫌なので…。
「夏でも長袖・長ズボン」に決めています。ええ、暑い。めちゃくちゃ暑いですが。
僕の中では[指先から肘・二の腕…顔・耳・首・うなじ・デコルテ…足首・脚…と露出部分に全部日焼け止めを塗る]よりは断然[ものすごく暑くても長袖・長ズボン]の方が楽だと感じているので。
あ、でも…経験と感覚ですが、歩いて数分のコンビニとかくらいだったら「ま、いっか」って半袖Tシャツで行っちゃうこともあるけどね。
あとは、帽子かな。
アルビノの目の特徴として羞明という、普通の人よりかなり眩しく感じてしまうのが大変なのですが。
サングラスって…屋内に入ると外したり、でも屋内照明もそれなりに眩しかったり、でもサングラスだと暗すぎて…、というか外したサングラスを保管するためにメガネケース持ってなくちゃいけなかったり、結構、面倒くさいんですよ(僕は…)。
それに比べると、キャップは「目元に影をつくる」優れた道具なので、屋外でも屋内でもそのままで対応できて楽だし、屋外では顔周りの日焼け対策にもなるし、めちゃくちゃ便利なんですよねー!
とはいえ…ウチの父親をはじめ古来からの日本では礼儀として「屋内では帽子を取れ」という人々が一定数いるので、環境によってはベストとも言えないんですけどね〜。
幼少期について
これは…ポイントを絞らないとどこまででも書けてしまうのだけれど。
いま思いつくことだけなるべく短めに書くと…、僕は特別支援学級とかには行かず、普通の子たちと一緒に過ごしました。
幼稚園の頃は…、外遊びの時間でも日焼けをしないように、室内でおとなしく遊んでいたような気がする。
友だちとは、ウルトラマンのソフビ人形で遊んだり、戦隊ヒーローの変形ロボのおもちゃで遊んでいた記憶があるな〜…。
公園遊びも少しはしたんだろうけれど、あんまり記憶に残ってないのはさほど回数が多くないからなのか、外は眩しくてほとんど目をつぶっている状態だったからか…?
小学校の頃は、休み時間に友だちとドッジボールをしようとして、でも弱視の僕は「ニガテだなー」と悟って、教室内にいる時間が多かった気がする。
あと黒板がギリギリ見えないから、一番前の真ん中の席が特等席になって、席替えでは「僕以外のみんなが替わる」パターンだった。
家では、スーパーファミコンが発売されたらもう、ゲームばっかりしていた。それとテレビも好きだったので、物心ついてから大体ずっと、テレビの前に座ってた。
親としても、ずーっとテレビを見てひとりで過ごしてるおとなしい子だったから、手がかからなかったかもしれないな〜。
ありのままを書くと、わりと地味で、何でも無い普通の幼少期だったりしたかも知れない。
アルビノで良かったと思う経験
これも、人生が長くなるほど色々とあるんだけれど。
いま思い出すと、まず「アルビノだから小さい頃にめっちゃチヤホヤされた」のが、良かったことのように思う。
僕の親は、当時まだまだ未知の存在だったアルビノの子を、それでも「真っ白でカワイイね〜」と言って育てた。
その姿勢がブレなかったからか、幼稚園でも小学校でも、わりと面倒を見てくれる大人たちが「カワイイね〜」って言いまくってくれてた気がする。
これは紛れもなく、その見た目が他の子とちがうのも含めての「カワイイ」だったと思うから。
良い意味での特別扱いだったんじゃないかな〜と思う。
それから色んなことがあったけど…、大学生とか大人になってからは、僕が表現者を志したこともあって、とにかく目立つ・人に覚えてもらえることが最高に利点だった。
先輩からも瞬時に覚えてもらえて、名刺交換したことない人からも「お見かけしたことあります」って言ってもらえたり。
一時期、小劇場演劇界隈をウロウロしていたことがあるんだけれど。その頃も、初めて顔を出す劇団で「客席でお見かけしたことあります」とか「他の劇団で音響されてるの見たことあります」とか…。
あと人生でいまのところ最強に良かったのは、制作会社で声優さんと仕事をしていた時に、ありがたいことに目を合わせて「キレイですね~」って言ってもらえたり、ただのスタッフの1人にも関わらず認知してもらえたりしたこと!
人気声優さんに、いちスタッフの僕が直接お褒めの言葉をいただけるなんて、最高でしたね!
「これは自慢になるわ~アルビノで良かったわ~」って心の底から思った…。
そんな経験が積み重なったこともあり、現在フリーな僕だけれど、時代も時代だし、この僕だし、名刺いらずだな!なんて思っていたりする。
そして、最後に。
アルビノという、生まれ持っての人とちがうギフトのようなものがあったからこそ、表現・発信をしていこうと思って、ここまで来たこと。
そうしてきた僕の言葉が届いて、こうして質問をしてもらえるくらいの存在に成れたこと。
それは確実に「アルビノだから」だなあ。
…というかアルビノじゃない人生を過ごしたこと無いので(笑)。
後天性の症状とちがうのは、アイデンティティの1つとして、ずっと僕であるということ。
結局は、いま感じたりする幸せなんかはほとんど「アルビノとして生きてきたから」なんだろうな、と思えなくもないのです。
長々と…お付き合いいただきましてありがとうございました!
アルビノ・エンターテイナー、粕谷幸司でした。
何か質問とか相談とかあれば、お気軽にどうぞ。
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