母の言葉にジンとする

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(この記事は、過去に運営していたブログ『彩り my life』の記事を移植したものです)

先日、雪のふる中、実家に帰ったんです。
「家が建ったよ、みんなで一緒にご飯でも食べよう」って。

ちょうど1年前ごろ。
色々な思いを残しつつ、自分の部屋を太処分して。
間もなくして、跡形もなくなった“実家跡”を見に行って。
しばらくは本当に「実家が無い」という寂しさを抱いて暮らしていた気がします。

そして、幾分か小さくなって建った実家に、みんな集まってご飯。
いつもと変わらないような、生まれて初めてのような。
懐かしいような、新しいような顔ぶれが、面白くもあり、物悲しくもあり。
けれど、これから始まる新しい家族は、やっぱり幸せな気がしました。

もっと幸せになっていこう、もっと楽しくなっていこう。
家族の関係だって、今よりもっと良くできる。今よりもっと、最高の家族になっていける。

そんなことを、何気なしに考えていた僕に。
「見た目問題」総合情報誌『マイ・フェイス』最新号(Vol.004)を読んだ母から、僕が生まれたばかりの頃の話を聞いた。

(ちょっと長くなるので、続きは以下から)

分娩室で産み落とした直後、看護師さんに運ばれていく僕をなんとなく眺めつつ「しろいなぁ…」と思ったって。
そして、兄たち2人(僕は三男)の時とは違う医師の言葉に、少し戸惑ったようで。
今まで2人の出産時には「五体満足、健康なお子さんですよ」との第一声だった。
けれど、僕の場合は「お母さん。世界には、色んな肌の色の人が居ます。色んな髪の色の人が居ます。…白いお子さんでも、間違いなくお母さんのお子さんですよ」。

どういうことか?と思っていた母の横に寝かされたのは、結構多めに“白い髪”が生えている僕。

それから数件、母は病院を巡った。
幾人かの医師に見せ、幾人かの知人に相談し。
そしてやっと、とある大学病院の先生に、本当に求めていたひと言をもらえたと。
「メラニン色素の問題で、紫外線には弱いと思います。けれど、五体満足の健康な子ですよ

どの先生も、アルビノについて知っていることは限られている。
どの医師も、生まれたばかりの子は知っていても、その子たちがどのように育ったかに関してまでは、知らなかったりする。
だけど母が求めていた答えは、たったひとつだった。
「この子は、大丈夫なのか?」

そんな話を聞いたら、ジンとしちゃうよね。

アルビノに生まれたこと、こうして育ってきたこと。
今、ちょっと変わり者ながらも、楽しく健やかに生き続けていること。
それこそが、僕の生まれ持った奇跡なのかと思う。

いま、27歳。アルビノに生まれた僕は、健康に楽しく、立派とは言えないかも知れないけれど、充実した人生を、大人になりきれない感覚を持ち続けたまま、生きています。

アルビノに生まれたからと言って、不幸だなんて思われたくない。
僕は、このアルビノを悲劇にしたくはないんです。

だから、繰り返し、まるで自分に言い聞かせるようにつぶやいてしまう。
僕は、エンターテイメントが好きだ。
僕は、不幸話が生む感動にあまり相容れない。

生まれてこれて、本当に良かったよ。
僕は愉しいよ、今の自分が好きだよ。

だからこれからも。
正直、あまり可哀想じゃない僕ですが、芸能界を目指して、エンターテイナーとして活躍していきたいと思っています。

どうぞ、皆さん、そんな僕の応援を、よろしくお願いします。

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