テレビドラマも大好きなのだけれど
大抵の登場人物に僕は完全には入り込めない。
それは、僕がアルビノだからに他ならない。
普通の(アルビノではない)人は、自分が高校生時代には学園モノを見て、恋愛モノなら同性の登場人物に、お仕事ドラマなら主人公サイドに感情移入すると思う。
僕もある程度は「わかるわかる」と思いながら見ることが多い。
けれど。
「僕だったら…」と考えた瞬間に「あ、僕とは違うんだった」と思うんだ。
道の向こうから、大きな声で相手の名前を呼ぶシーンでは「弱視の僕だったら見えないからなー」と。
車を運転しているシーンでは「運転免許が取れないからなー」。
スポーツを題材にした物語は、視力以外に「日焼け」の問題もある。
ほとんどの競技はトレーニングなども含めると屋外で運動する時間が現実的に多くて、アスリートたちはみんな日焼けしている。
僕らアルビノは、日焼けが絶対的にダメだから(日焼け止めを塗りたくるという方法も無くはないけれど)…そこにみんなと同じように居る自分を想像し難い。
歴史や時代が絡むとよりややこしくて「この時代設定の物語にアルビノの人が存在したら展開がとっ散らかっちゃうな」と思う。
…というか実際に戦時中はアルビノの日本人はどう生きていたんだろうか?
話が逸れたけれど戻してみると
そもそも鏡の中に見る自分の姿が「全然、普通の日本人ではない」のだから
テレビドラマのような作品に「自分のような人」が現れることを期待していないんだ
その点、アニメは好い。
舞台は日本でも様々な髪色のキャラクターが当たり前に登場する。
さらにはその非現実性から「特別な存在」として描かれやすい「白い人」が活躍してくれるのが最高に楽しい。
視覚情報としては、現実的である実写ドラマにはアルビノである僕らは自分を投影しづらい。
一方ファンタジックなアニメ作品にこそその見た目として親和性を感じて没入しやすいように感じている。
本当のところ「アルビノ設定」ではなくて構わない。
ただ白い髪のキャラクターが特別な存在としてアニメ作品に登場しているだけで、実写ドラマで感じることのできない「自分だったら」という妄想や憧れを抱けるところが好きなんだ。
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